【チャレンジタイムス】地域の声を聴き、地域と共に生きていく

皆さま、こんにちは。
本日は「チャレンジタイムス」第4回目をお届けします。ぜひお付き合いくださいませ。

 

第4回目は、有限会社中田の中田真寛さまです。

有限会社中田
和歌山県紀南地域密着型の、葬祭事業を中心として展開している「お葬式・お供養のなかた」。早期に始めた家族葬や樹木葬や海洋散骨などの自然葬が功を成し、和歌山県の南部ではトップシェアを誇る会社です。現在は事業再構築補助金の申請を経て、供養全般の相談に乗れる会社として歩みを進めています。

▼HPはこちら
https://cere.jp/

和歌山県の紀南でお供養全般を取り扱っている「お葬式・お供養のなかた」の代表取締役 中田 真寛さま。「家族葬」や「樹木葬や海洋散骨などの自然葬」に早期にチャレンジし、大成功を収めています。またお葬式を通じて地域の問題にも着手し、人材教育やイベントの開催、働き方改革など多方面からのアプローチにも尽力されています。今回は中田さまのチャレンジについてお話をうかがいました。

地域の問題解決をも目指す「お葬式・お供養のなかた」

ーー改めて中田さまご自身のことを教えてください。
弊社は、和歌山県の紀南で葬祭事業を中心としたお供養全般を取り扱っている会社です。前社長が約4年前に他界し、今は私が社内の代表取締役として仕事に携わっています。
現在は経営に力を入れており、営業などの部分には携わっていないのが今の私の立ち位置です。私の会社はお供養とお葬式を通じて、地域の問題解決を目指すことを考えています。特に俗に言う CSV(Creating Shared Value) という取り組みです。その中で出てきている問題として「少子化」があり、最後亡くなるときに一人で亡くなる、看取る家族がいない、亡くなったときに眠る場所がないなどの問題につながっています。

10年前から未来を予想し「家族葬専門」でブランディング

元々お墓は、あとを見る人がいるからこそ継続できるシステムですが、あとを見る人がいない高齢者が多くなってきている中で、安心して生活しにくい人たちが多い、また増えてきてると感じています。
これは全国的に見ても同じような流れがあると思います。そこを解決しようと、樹木葬や海洋散骨という自然葬を約5年ほど前に始めました。そこをまず葬祭事業者の中での先駆者として、経営コンサルティング会社で講師も務めておりました。
昨今のコロナ禍において、少人数のご葬儀というのが非常にメジャーになってきてる現場であるということはわかっていただけるかと思います。弊社は約10年ほど前からそのような未来を予測していたこともあり、家族葬専門というイメージでのマーケティング・ブランディングを図ってまいりました。
そのため、コロナ禍において葬儀の施行受注が、1年で約130%アップしました。元々340〜350件だったのが、540回まで伸びたということで、売上は倍まではいきませんが、30%ほどアップさせて、和歌山の南の中ではトップシェアの会社となりました。
これは、私が約10年ほど前に立てた計画の中の一つでしたが、コロナが約3年続いているので、前倒しのイメージで時代を進めたという風な受け取り方をさせていただいています。

独居老人の眠る場所問題に着手!海洋散骨と樹木葬にチャレンジ

ーー海洋散骨と樹木葬のプロジェクトはいつ頃から始まったのでしょうか。
2014年からです。1年ほどかけてチャレンジしました。申し上げた通り、今後独居老人の方の眠る場所問題が必ず起こってきます。お葬式ってお葬式をする人がいるからお葬式ができるんだけど、一人で亡くなる方は、最後送ってもらいたいと思っていても送ってくれる人がいないとできません。
だから「私はお葬式いらないよ」っていう人も絶対にいるだろうなって思ったんですよ。なので、眠る場所を自分で選べるようにしたら、「そこがあるからお葬式は中田に頼もう」って、下からの流れを作れるんじゃないかなと。だから海洋散骨と樹木葬は絶対マストでやっておかないといけないなって思ったのがこのタイミングでした。

ーー実質このプロジェクトには中田さまご自身がメインとして関わってらっしゃったんですね。
そうですね、このときは営業もやっていました。うちが評価されたのはもう一つあり、和歌山県経営革新計画で全部流れを作ってるんですよ。なので予定を組んだものの中でやってるので銀行さんが評価を高くしてくれて、「良かったなー」って感じですね。

経営コンサルティング会社での出会いが今後の支えに

ーー経営計画として進めてきた結果とはいえ、中田さまご自身、大学では文学部の専攻でした。経営に関する学びや知識は、どんな風に得てこられたのですか?
経営に関しては私の父親は「まったくタッチするな」という人だったんで、好き勝手させてもらいながら、県外に出まくって、経営コンサルティング会社さんの勉強会に入れていただきました。そこでさまざまな数字の見方を教えてもらいながら、多くの人と知り合ったんです。
47都道府県、どこで自分が息絶えても、地元に寝台車で運んできてもらえる自信があるんですよ。そういう人たちと腹を割って話をして、決算書とかの数字を全部見せ合いながらやっていきました。すごい経営者の方々と出会いながら、経営のイメージを掴んでいったということです。

ーーそのつながりは今も続いている、またどんどん拡大しているのでしょうか。
そうですね。コロナになってからそんなに会えてないんですが、私は1年ほど前にゴルフを始めまして、そのゴルフをいっしょにするメンバーは、ほぼ経営コンサルティング会社で出会ったメンバーです。今では全国飛び回って一緒にゴルフをしていますよ。

ーー素晴らしい人脈ですね。当時出会った経営者さまは、経験の長い人もいらっしゃれば、浅い方もいらっしゃったのでしょうか。
いろんな人がいましたね。ただ一つ言えるのが、経営者二世といわれる人たちの集まりでした。なので、同じような悩みを抱えています。たとえば「父親がまだ社長をやっているので、数字の見方などを教えてもらえない」「お金がないお金がないと言っているけど、何でお金がないのかわからない」「決算書を見るとわけがわからない数字だらけ…」という悩みが結構あって。

地域を飛び出して新しい学びの場を目指すことも大切

ーー本来のお仕事と学びをずっと両軸で進めてこられたのですね。学びの時間はどのくらい確保できていたのでしょうか。
そうですね。本当にそんな感じでした。インプットの時間というイメージがまったくなくて、月1〜2回は県外…東京に出ていたかな?定期的に県外へ出て学びの場にしていました。ここ数年前からは、経営計画を立てるようになってきて、ホテルで経営計画を立てたりとか、そんなこともしていましたね。

事業再構築補助金で供養全般の相談に乗れる会社に生まれ変わる

ーー過去のチャレンジの一つに弊社でご支援をさせていただいた事業再構築補助金の申請が挙げられるかと思います。先日交付決定となり、ご状況はいかがですか?
今、工事にかかっている最中です。この事業を通じて既存の店舗を改良し、新しいお客さんを呼び込む方針です。現場は年間の売上が6,000万~8,000万円くらいあったテナントですが、今後の課題としては、仏壇屋さんというイメージだと新しいお客さんは呼びにくいので、仏壇とかお葬式に限定せず供養全般の相談に乗れる会社としてこの店舗は生まれ変わるかなと思っています。
供養全般になってくるので、ペットもそうだし、一人暮らしの方も対象になります。「仏壇を買う」という風に腹をくくらないと仏壇屋さんにはなかなか入らないじゃないですか?そうではなくて、小さい手元供養でネックレスのようなものが置いてあったり、さまざまな供養の形がそこで選べたりという形に変えていくチャンスかなというように捉えています。

ーー現場のスタッフの方の反応はいかがですか?
戸惑いのあるスタッフも非常に多くいます。というのも、今までのお店が良いと思っているスタッフがいて、形を変えることで今までのお客さんが来なくなるのではないかと心配をしています。特に田舎というイメージが強いので…。でも、田舎の人ってスタッフの人柄で来てくれる人が多いので、個々のスタッフの努力が実を結びやすいため「安心したら良いよ」と伝えています。あとは、新しいお客さんを呼び込もうという流れを作る中で、スタッフの中には他の仏壇店を見に行ったりという人もいますね。

お客さまの声はスタッフが日報で周知

ーー御社の経営方針でもある「地域の方々の声を聴く」がスタッフの方にも浸透しているのだと思います。経営方針をスタッフ全員で浸透・共有させるためにどのようなことをなさっていますか?
私とスタッフとは考え方が少し違っているかもしれませんが、事業を起こすときのタイミングは「お客さまの声を聴く」、現場サイドのみんなは「今回の祭壇良かったよ」とか「こうしたら良いんじゃないの」とかその日その日に起こったことに対する声を聞いていくというイメージでやってくれているのかなと思います。
なので、そのあたりの「お客さまの声を聴く」という位置が違うのかなと。スタッフの方から「お客さまがこういうこと言われていました」「こういう事業どうですか?」と言われることはなくて、事業をしているなかで解決点とかそういうところでお客さまの声を上げてくれて、それを私たちが改善していく、あるいはみんなで改善していく方法を探っていく…という感じですね。

ーー日頃からお客さまの声を聴くように、中田さまから何か声かけをしているというようなことはありますか?
声かけは実際していないんですけど、もしかしたら葬儀屋さんの中では少ないかもしれないんですけど、日報を全員に書いてもらうようにしていて、日報の中には「お客さまの声」という項目を作っています。

樹木葬と早期に着手した家族葬が大成功!

ーー過去の中田さまのチャレンジで「これぞ!」というものがありましたら、教えてください。
間違いなく大成功を納めているのは樹木葬だと思います。家族葬式場を建てたのも早かったんですよ。家族葬を地域に落としたというのは非常に良かったかなと思います。
2010年、専務に就任した段階で、家族葬専門式場を建てたんです。ここからスタートになりました。きっかけはスタッフとの会話で、「お客さまにお葬式を勧めているけど、自分のお父さんお母さんのときはどうする?」と聞くと「もう、家族葬でいいです」という声があったんで、「じゃあ、自分のお父さんお母さんに勧めたいお葬式をしようよ!」ということで、2010年に家族葬専門式場を始めました。
それを一つサテライトにして、大きなお葬式もできる本社があるんですけれども、これのサテライトとして家族葬を点々とドミナント形式で立ち上げていったという流れがあります。家族葬を成功させる、家族葬を継続させていくためには、眠る場所を探す人や眠る場所がない人って、たぶん家族葬とペルソナ同じだよねということで、海洋散骨と樹木葬を始めました。
一番初めは、家族葬をこの地域で始めた、12年前に家族葬専門式場を立ち上げたというのは、かなり評価が高いのではないかなと思います。

ーー今となっては結構当たり前のスタイルですが、当時では革新的だったんですね。
そうなんですよ。サザエさん一家の住んでいる家の造りにしたいなって思ってやったんですが、三河屋さんが入ってくる入口が作れませんでした。(笑)この当時、アニメでたとえてて、2010年ごろみんなが思っている日本の家庭って、サザエさんの家庭というのが日本の代表的な家庭だっていうのが強かったんですが、実はクレヨンしんちゃんだというのがわかって、これから10年20年経っていくと、ドラえもんになっていくよねって。
今はドラえもんになってきているというたとえなんですよ。その流れで作っているという流れです。アニメを見てイメージをしたという話です。

お客さまの望みや問題点を考えて新しいチャレンジが生まれる

ーーチャレンジをする上で意識していることは何かありますか?
「お客様が何を望んでいるのかな」「この辺りでは何が問題になっているのかな」「日本全土を見たときに、何が問題になってくるのかな」ということです。

ーー「お客様が何を望んでいるのかな」を見つける手段として、どのような方法がありますか?
地域の中で勉強会とかがあるので、そういうところに進んで参加をしたり、講師をさせていただいたりですね。樹木葬を立ち上げたときには、「これからの供養を考える勉強会をしませんか?」って広告を出したら10人くらい集まっていただけました。
「みなさんここに集まっている人は、お葬式いらないって思っている人ばっかりでしょ?」というところから入って「樹木葬!樹木葬!」って声が上がってきて、「それそれ!」という話の流れができました。
最終的に、「じゃあみなさん、こういう形であればどうですかね?」と聞くと「これはこう!」「あれはそう!」みたいに案が挙がり、「じゃあこうすればどうですか?」と聞くと「じゃあ私それ契約するわ!」ってなって、その中で3人くらい契約してもらえました。

ーーその機会は定期的に設けられているんですか?
あのときは、2回しましたね。

葬儀屋はPRする場がない…商工会議所メンバーでイベントを開催!

葬儀屋さんってなかなかPRする場がなかったんで、飲み屋さんで商工会議所青年部のメンバーと飲んでいるときに、「みんな景気が悪い悪いって言うてるけど、逃げてるだけじゃん」って話になり、「僕たちが立ち上がったら、何とかできるんじゃないの?」と。
そこで、「公共的なイベントをするとメディア関係がついてきてくれるから!20社集まって10万円出し合ったら200万円集まるからこれでイベントしようぜ!」ってなりました。商工会議所青年部の中で地域の40社くらいの会社を集めてイベントをして、うちは霊柩車を買ってブースに展示したりしましたね。
そのイベントは、日本商工会議所の中のイベントで準グランプリを取ったんですよ。それが今十何年続いていますね。

まずは「やってみる」!良い事業には人が集まる

ーーHPに「“我々のことを最も理解してくれている”と言われるような存在でありたい」と書いてありました。これは葬儀業界だけに関わらず、いろんな業界の経営者の方が考えていることではないかなと思います。特に経験の浅い経営者の方ができるアクションは何でしょうか。
ん~今はなかなかコロナ禍なので厳しいかもしれませんけれども、飲みに行って話をして、決まったことをすぐにやる…軽い気持ちで考えて、軽い気持ちで始めて、失敗したことは忘れるくらいのイメージでいったら良いんじゃないですかね。

ーーまずはやってみる。なのですね。
良い事業の場合はみんなが寄ってきてくれますから。みんなが乗ってこない事業は良い事業じゃないので、忘れられるのも早いですよ。そんな感じです。

ーー言葉は簡単なんですが、実際は難しくとても勇気がいることだと感じます。
飲んでるときの勢いがあればたぶん大丈夫ですよ!(笑)軽い気持ちで始められますから。酒の力が一番です!

「働き方改革」でカッコ良い職場を目指す!

ーー2018年、代表になられた時期に着手されたことの1つに「働き方改革」がありました。環境整備から始められたとのことですが、葬儀業界ってどうして美しくないというイメージを持たれてしまうのでしょうか。
なんだろう…ご遺体を触るとか、時間的な部分で24時間働くとか、そういうイメージがとても強いんですよね。あとは、別の事業もしているんですが、東京へ行ったときに別事業の社長として行くときと葬儀屋の社長として行くときとでは、まったくお客さまの持たれるイメージが違うんですよ。
メディア関係の人の飛びつき方も全然違いますね。そういうこともあって、今後のことを考えると、かっこ良い職場じゃないと有能な人材は来ないんだろうなと思い、まずはそこを直すために、働き方改革と情報を地域のみなさんに見てもらうということに着手しました。
今の現状でいくと、有給取得率が約40%で少し低いんですが、時間外労働の平均が月18時間、完全週休二日制、子どもができたときには男性スタッフ1週間の育休という実現はできています。

ーーこの2年間でスピード感のある改革だと思います。実際スタッフの方はこの変化について何か仰っていますか?
「福利厚生がめっちゃ良くなった」というのと「休みが取りやすくなった」と言っています。ただ、年齢が上の人たちからは反発がありました。「僕はお葬式の仕事をしにきたのであって、こんなパソコンで字を打つ仕事をしにきたわけじゃない」というような人もいるし、僕とすればそこも含めてやらなければならないところではあります。「教えて」とか「やりたいからどうかしてほしい」というようであれば一緒に考えるんですけど、「やりたくない」と言われてしまうと「辞めてください」としか言いようがないという人もいっぱいいますからね。そういう人たちと戦いながらいます。

ーー働き方改革は、いつごろから考えていたのですか?
10年以上前から考えていましたよ。

ーーということは、入社してまもなくだったのですね。
本当にそれくらいからです。スタッフと経営者って同じ人間なのに、どうして僕のお父さんお母さんは運動会に来るけれど、スタッフは運動会に来てないんだろうとか考えていたんで。「そんなんおかしいやん!」というところからスタートして、あとみんなが仕事をしているのは、生活のためであり家族のためなので、仕事をするために仕事をしているためじゃないから、そんなんは辞めちゃおうと。
あとは人が減っていくのが見えていたので、そしたら良い人材をということになると、働き方改革をしっかりしないといけないなと思っていました。しかし、先代との考え方の違いもあって、ギリギリまで進めていけなかったというのがあります。

ーーいざ代表取締役に就任されたら、すぐに動けたのですね。
そうですね。下ごしらえはすでにしてありましたから。

過去のチャレンジはゴールを目指して進行中!
地域後見人制度や死後事務委任契約などにも着手予定

ーー過去のチャレンジについて、ほかに何かお話いただけることはありますか?
どちらかというとマイルストーンを刻むイメージですが…。最終的なゴール設定がある中で、家族葬・樹木葬・海洋散骨などでゴールを目指していきますが、後見人や死後事務委任契約、地域後見人制度などに力を入れていく、着手していかないといけないというところまで来ています
それが目標だったので、それがやっとできる方向性になってきたかなというところです。あとは、スタッフの生活を考えても、今540件のご葬儀ができているので、後の会社としては700件を目標としています。
人口が減っていくところなので、今の水準を保とうとすると、葬儀の件数は700件くらいまでいかないと保てないと思っています。まずは700件を目標にして、うちのスタッフ全員が生活ができる会社をめがけてやっているイメージです。
それぞれがゴールをめがけてやっている、私がやっていることはマイルストーンなので…行き当たりばったりだけでやってないよというところはわかってもらえたらと思います。

ーー700件という目標に対して、今後スタッフさまは増やしていく予定なのでしょうか。
はい、増やしていきます。バックヤードに関しては、すでに700件まで対応できるようになっているので、あとはスタッフを5〜6人増やせばやっていけるかなと考えています。

葬儀業界のイメージアップを目指して人材教育の会社を設立

ーー働き方改革がなされたこともあり、スタッフさまの募集も良い意味で変化はありましたか?
そうですね。採用のホームページを見て来られる方もいらっしゃいます。ただ問題は、おじいちゃんおばあちゃんがいる場合、「葬儀屋さんってそんな甘いもんじゃないよ」なんて言われて、辞退する人も結構いるんです。
そうなると、葬儀屋という業界のイメージを変えていかないといけないですよね。そんな中、今年京都に7社の葬儀社が集まって出資して、葬儀業界の底上げをするための教育プログラムを中心とした勉強会の会社を立ち上げました。これはスピンオフですけどね。

ーー葬儀業界のイメージの底上げ。なのですね。
そうですそうです。イメージの底上げをするためには、スタッフのモチベーションから始まって、「何の仕事もできなかったので、お金の良さそうな葬儀の仕事に来た」という人もいるんですよね。そういう人たちって何が問題なの?というと、まずはモチベーションなんです。
自分を好きか嫌いかでいうと、自分が嫌い・何もできないと思っている人だったりするんですよ。それって、今までのその人の成り立ちや構成がそうさせているイメージがあって、私たちが“高級ホテルのサービスのイメージ”といっても、シティホテルが高級だと思ってる人も多いんですよ。
そうしたら話が合いませんよね?お客さまの前に出たときも、靴を並べるとかそういうことすらわからないようなスタッフが多いです。葬儀の知識はそれぞれの地域とか葬儀屋さんごとの考え方があるので、そこは教えられません。
なので、人間としてのスキルで葬儀につながる部分、たとえばお土産の渡し方だったり、プレゼンテーションの仕方であったり、ファシリテーティングの仕方であったりなどを教える勉強会をする会社を立ち上げました。

ーーその勉強会は、全国規模でされているのですか?
全国規模で、京都の四条に事務所を構えてやろうとしています。

ーー今だったらオンラインで集まってくるようなイメージでしょうか。
これね、僕らもオンラインでいくと経営的に良いなと思ったんですけど、講師がけっこうそのあたりシビアで、人との対人のやり方を教わるのでオフラインが望ましいということになりました。オフラインのイメージの中で、わりとすごい人たちが集まってきています。
お茶や風呂敷の包み方、掛け軸に関することなどを教えてもらえ、様々な業界の人たちが一堂に会して教えてくれるという感じです。

7年前に描いた絵を完成まで導くのが僕のミッション

ーー将来的にチャレンジしてみたいことはありますか?
現状の延長上…ゴール設定を定めてそこに到達することが将来のチャレンジにもなるのかな。8年後9年後に、社内で取締役をきちっと立てるイメージは持っています。7年前に描いた絵を、今実行し実現させるというのが僕のミッションです。

嫌なことはやらない…だからしんどくない

ーー中田さまはチャレンジ精神に溢れているなと思います。そんな中田さまにも見えないご苦労がいっぱいあったと思うんです。「こんな失敗しちゃった」みたいなエピソードってありますか?
昨日もあったんですが、3日間飲みに行っちゃって嫁さんが口をきいてくれないっていう…。(笑)

ーー3日間ですか。(笑)
そうなんです。いびきがうるさいって言われて、ラインに動画をアップされて、子どもたちに見せしめをされたというのが一番つらかったかなと思っています。
でもね、僕ね…こんなこと言っていいかわからないですけど、嫌なことはしないんですよ。だから、やっていることに対して「しんどいな〜」とか感じたことなくて

ーーどうしてでしょうか。
自分の好きなことしかしてないから。なので、せっかく今好きなことをさせてもらえてるから、嫌いなことをやっても上手くいかないんだろうなって思います。
あ、一つ苦労したというか限界を感じたというか、しんどいなと思ったのは、東京のある日本酒のバーで、そこにはこの日本酒はどこ、この日本酒はどこっていうのを示せるように、日本の白地図が壁一面に貼られていたんですね。
ある僕のマーケティングの先生に、「中田、お前これみてどこまで見える?」って言われたんですよ。僕はどうしても和歌山の南半分しか見えなくて。するとその隣にいた官僚の人が、「僕は日本の東京を中心にした半径100kmの範囲が10年先見えます」って言ったんですよ。
で、僕はまったくそれが見えなかったんで、一晩悩んだことがあります。めっちゃ酔ってたんですけど、一気に冷めて悩んで…。そこからゴール設定の重要性を感じましたね。そのときに困ったというのはありますけど、それ以外はね…。
あとは、役員会があって、今はワンマンではいかないんで、どうやってみんなにプレゼンして役員を納得させようかなっていうのは一所懸命頑張って…苦労しています。

迷ったらやっちゃう!辞めてしまわない限り失敗はない

ーー日々、迷われたことはなかったのでしょうか。
迷ったことは…そういわれたらないですよね。というか、迷えばやっちゃうんで。途中で保留にして、それを辞めてしまわなければ、それは失敗ではないんで。だから、ずーっと続けているイメージがあります。
なので、失敗したというイメージも実はあまりありません。…ていうような会話を所ジョージさんが言ってました。(笑)

ーー結果の捉え方次第でもあるのでしょうか。
だと思いますね。なので、失敗というのは仕事のなかではないです。ゴルフではしょっちゅう失敗していますけど。

ーーどうすれば、そういう気持ちになれるのでしょうか。
たぶん、血液型B型で鈍いんやと思います。

ーー(笑)子どものときからずっとそのような軸があったのでしょうか。
どうなんでしょう…子どものころ…もっと勉強しとけば良かったなとは思いますけど。…そんなに感じたことはないですね。

ーーあと、何かお話し足りてないことはありますか?
今SDGs(エスディージーズ)のからみがあって、高度な教育にも力を入れています。数年前に会社のなかで、「チャレンジカップ」という小学生向けのバレーの大会をしました。それを聞きつけてくれた元全日本の男子・監督の植田辰哉さんが当チームに来てくれて、月1回地域の子どもたちにバレーボールを落としてくれています。
バレーボールを通じて子どもたちに教育する内容は、バレーボールは当然なんですけれども、子どもたちのコミュニケーション能力などの、バレー以外でも社会で通じる能力についても教えてくれています。
これをあと数年やることで、これはCSVの部分になるかと思いますが、地域の問題としてあるコミュニケーション不足というのをなくして、子どもたちが東京や大阪に出たときには普通に対等に話ができる、また地域で自分たちの故郷が「良い故郷
だよ」って言える子、また地域に戻ってきて東京などで学んできたことを地域に落とせる子を育てていく
というのを現状やっています。これから地方でやっていく地域密着型の会社というのは、やはり地域と共に生きていくなかで少し将来に向けたそういう風な活動というのも私は必要だと思っています。

地域の方々のために何ができるのかを考え続ける

家族葬や自然葬に早くから着手し、和歌山県紀南の葬儀業界を牽引する一方で、働き方改革や葬儀業界のイメージの底上げ、人材育成、子どもの教育など、地域の方々の望みや困りごともすくい上げて解決への道筋を立てていく「お葬式・お供養のなかた」の中田さま。「やり続ける限り失敗はない」の精神で、すべてのチャレンジをゴールに導く努力をされています。中田さまが描かれているゴール、また更なる新しいチャレンジがとても楽しみですね。

中田さま、今回は貴重なお話をありがとうございました!

 

(取材・文/株式会社アカウティングプロ チャレンジタイムス担当)