【チャレンジタイムス】ちょっと先の目標がテンションを保つ

皆さま、こんにちは。
本日は「チャレンジタイムス」第3回目をお届けします。ぜひお付き合いくださいませ。

 

第3回目は、税理士法人MBC合同会計の中山吉晴先生です。

税理士法人MBC合同会計
神奈川県相模原市に事務所を構える「税理士法人MBC合同会計」。1982年に創業して以来、「税務・会計を通じ、社会に貢献する」を理念に持ち、法人や個人に関わる税務・会計のことから相続税関係、補助金の申請支援に至るまで、幅広い依頼に着手。税理士の他に弁護士や司法書士、社会保険労務士など、あらゆる法律の専門家と手を組むことで、お客様のさまざまなニーズに対応できる事務所です。

▼HPはこちら
https://www.mbc5681.jp/

「税理士事務所は税務と会計」という固定概念にとらわれず、相続税の相談や補助金申請支援など、新しい案件にも積極的に着手している「税理士法人MBC合同会計」。新しいシステムの導入にもアクティブで、お客様のため、そこで働くスタッフのため、さらには社会貢献のために効率化と挑戦を糧に成長し続けています。今回はそんな税理士法人MBC合同会計の中山吉晴先生に、「過去」「現在」「未来」のチャレンジについてお話をうかがいました。

税務と会計・相続税・補助金の三本柱

ーー御社で提供されているサービスの中で、中山先生の役割はどのようなものか教えてください。
いろいろなことをやっていますが、まずは通常の会計事務所と同じように、法人・個人の会計と税務。これが柱です。それから他所よりも結構やってると感じるのが、相続税に関しての申告ですね。
これは年間かなりの件数を申告していて、専門スタッフ6人でやっているのが特徴的かなと思っています。また補助金申請支援関係でDr.プロフィットにもお世話になっております。特に事業再構築補助金とものづくり補助金を中心に支援しています。この辺が、うちの三本の柱となります。

ーー中山先生が特に取り組んでいらっしゃるのは何でしょうか。
私自身が直接行ってるのは相続と補助金申請支援の2つですね。一番始めに言った「法人・個人の会計と税務」は、弊所で最も長くやってきている分野なのでスタッフの熟練度も大変高いです。

勉強をして勉強をして…ようやく踏み切った補助金申請支援事業

ーー中山先生の過去のチャレンジの一つが、Dr.プロフィットへのご加盟だと捉えています。きっかけは事業再構築補助金の案件があったと伺っています。
今回の「事業再構築補助金」の申請支援は、“踏切った”という感じです。補助金申請支援事業に関しては、だいぶ前から勉強をしていました。若杉先生の勉強会の初期からの受講者じゃないかと思います。かなり長い間、受講はするものの補助金申請支援をやってはいない事務所だったんですね。
何年も受講して「いつやろうか…」と思っていて、今回、事業再構築補助金が出たことがすごく弾みになりました。弊所の場合、人数も多いのである程度事業として立ち上げてないと難しい事情がありました。
「とりあえずやってみる」ではいけないんですね。そのため金額の大きい事業再構築補助金が出たことと、やっぱりDr.プロフィットというサポート体制が整ったこと、それからスタッフを揃えてできるということで開始しました。
こういうスタッフの体制固めも進めてきていたんです。そのスタッフが入ったということで、いろいろなベクトルが全部GO!となり、ものすごい弾みになりました。
Dr.プロフィットがあることで「初めてやるのがそんなにすごいの(規模の大きい案件)で大丈夫かな」という不安感も、あまりありませんでした。ものすごいラッキーだったんです。

まずは人事体制を整えること

ーー今メインで申請支援なさっているスタッフの方は、去年新卒で入られた方ですか?
新卒ではないんですが、新卒一年目くらいにうちにやってきました。まだうちにやってきて一年ちょっとくらいです。

ーーそのスタッフさまをお迎えになり、体制も整った。ということなんですね。
彼の他に彼の上司もいます。彼はずっと長く会計業務・税務業務をやってきましたが、近く補助金申請支援の営業部を立ち上げる際に、会計・税務業務の担当から外したんです。
顧問先をどんどん外して、ある程度フリーに動けるようにしたんですね。そういう下準備をしたことによって、ようやく補助金申請支援にもある程度専念できるようになったというところですね。

ーー補助金申請支援を開始して1年経ちましたが、現場の手応えやご状況はいかがですか?
思ったよりも上手くいっているなというのが率直な感想です。自分で言うのもどうかなとは思うんですが…良い感じでスタートし、順調に進んでるなという感じがしています。

ーー事業再構築補助金第5回も2件申請支援されていました。案件の受注は既存のお客様から依頼が来るのか、あるいはHPなどから新規で問い合わせが来るのか。いかがでしょうか。
今は既存のお客様からが3件かな、後の2件はお客様の紹介とかHPを見てという方ですね。

ーー今までお付き合いのなかった方からも案件をいただけているのですね。
うちの場合、顧問先がまあまあ多くあるので。あとは、やっぱりコロナのご時世というのも大いに影響していると思います。特にちゃんとやろうとしてる方は、事業意欲…違うことをやらなきゃいけないという危機感をお持ちだと思います。それに対して、事業再構築補助金やものづくり補助金などに着目されてるというところは、大きいファクターですね。

製販分離で商品品質の一定化を目指す

ーーこれまで先生ご自身または御社でのチャレンジはございますか?
最近、製販分離を実行しました。これは会計事務所にとって今更といえば今更ですが、会計事務所で製造というのはないんですが、いわゆるコンピューター入力や経理処理をやることを製造と位置づけます。
そしてお客様のところへ行って説明したり、税務の相談に乗ったりするのを販売という言い方をするので、二つ合わせて“製販”と言います。うちでもずっと同じ人が製造と販売を行っていたんですが、こうするとどうも属人性が高くなってしまうのです。
一人の担当者しかお客様のことがわからないということが弊害になるのです。会社として、担当が違っていても同じレベルの記帳状況だとか、商品品質を一定化することはとても大切だと思っています。属人化が進んでしまうともうバラバラになってしまうのですよね。
そのためにも製販分離が必要で、3年ぐらい前にそれを実行しなんとかここで定着してきたという感じですね。

ーー3年間でなんですね。「その分離しなきゃ」と思った大きなきっかけはあったのですか?
前から製販分離のことで頭の中がモヤモヤしていて…。専門誌とかを見てみると製販分離を実行してるところが結構多く載っているので、「ああ、製販分離やらなきゃ」と。
とある会社で、製販分離を一つのシステムとして商品で売っていたのです。やり方や支度も含めて。うちで変に実行してうまくいかなくて、結局お客様に迷惑を掛けてしまうとまずいので、最初からシステムを買ってやってみることにしました。
そのため半年ぐらいは大変でしたが、それから先は完成されてるシステムでしたから、まあ割と上手くいったかなとは思ってます。

ーー現場のスタッフさまの反応はいかがでしたか?
始めは抵抗感が強かったんですよ。人間誰しも、今までと違うことをやる、変化するというのを嫌うんですよね。だから「製販分離は必要なんだよ」「逆にみんながもっと楽になるんだよ」と説いて回りました。またキーマンを3人作り、その人たちに「あなたたちは伝道師だよ」と伝え、事前準備を半年くらい行いました。社内のコンセンサスを得るのに、半年から1年間かけましたね。

ーー3年経った今、良かったなといったところでしょうか。
そうですね。やっぱり、一人で担当できる件数も増えるわけじゃないですか。結局経理処理をやらなくて済むわけですからね。また今までは、製造と販売に加えて確定申告をやるわけなので、経理処理が滞っていました。
製販分離をすると、製造の部分は独立しているため確定申告は不要になります。本人が確定申告を行っている間も、経理処理は進むということになりますので、会社として滞る部分が減ったという効果もあります。

秘訣は地道な努力!10年間で依頼が8倍に増えた相続税事業

ーーその他のチャレンジはいかがですか?
そもそも相続税に関しても、うちの場合はチャレンジでした。10年前と比べて今は約8倍の件数になっています。
ずっと何十年も、金融機関などに地道に営業活動をしてだんだん増えていきました。それの受け皿となる組織も、最初はパートタイマーの女性が一人いただけでしたが、だんだん増やしていき、ここ5年で6人という体制になりました。それに伴って、やり方もスピーディーにできるように工夫を重ねていって、これは結構上手くいっているなという感じがしています。

「組織としていかに効率を上げるか」
補助金申請支援中心の企画営業部立ち上げへのチャレンジ

ーー補助金申請支援中心の企画営業部の立ち上げという組織作りのお話がございました。
結局、人数が増えていくと組織で儲かるようにしていかないと、どうにもならなくなりますよね。弊所はそこまで大きくないですが、今32人が働いています。各自の守備範囲を決めていき、いかに組織として効率よくやるかというのがここ10年間の継続したテーマですね。だいたい形がついてきたところで、企画営業部が立ち上げられたわけです。
企画営業部って、普通の会計事務所にあまりないと思うんです。結局、企画営業部を支えるだけの“稼ぐ部隊”がないと。営業みたいなこと、専門でできないですもんね。だから、そこをようやく切り離せたという感じです。
企画営業部は、今補助金申請支援でそこそこやってるわけです。今後、もっともっと補助金申請支援の新規案件を組織としていただけるような仕組みを、Dr.プロフィットのノウハウもお借りしながら、やっていきたいなと…いや絶対やるという風に思っています。
それは、半年とかそのくらいで、そんなに時間かからずにできると思っています。できたら次はそれを利用して、経理代行をしていくつもりです。今やっているところは多いですが、うちみたいな体制になると、経理代行という仕事はやりやすくなるんですね。経理専門のスタッフが 結構いるので、そこでやっていく形を考えています。

組織作りに大切なのは「公明正大なルール」

ーーその組織編制の中で、中山先生ご自身が特に意識していることや工夫など、ポイントは何でしょうか。
私は大組織にいたことがないので、組織作りってあんまりよくわかんなかったんですよね。だからいろんなところに行って勉強させていただいたり、本を読んだりは当然やりましたけれど、結局は「誰にでも受け入れられるルールが、公明正大なルールなのかな」と感じました。
当たり前のことを当たり前にするしかないと実感しましたよね。税理士事務所っていうとやっぱり税理士が王様…っていうとアレですけど…、税務のことは税理士にしかできないわけなので、税理士事務所だから、どうしても会社の社長と同じて、「俺が決めればそれでいいんだ」くらいの感じになってしまいますが、結局いかに自分を殺すかが大切というか…。
だから、たとえ私(税理士)だって、「ルールに反したことはやっちゃだめ!」これだけですよね。「社員と同じ立場ですよ」と。ただ単に、みんなの代表として決定権があるだけということですよね。その代わり、「俺も守るから、みんなもちゃんと絶対守ってね」という風に言うためには、自分が守らなきゃいけないわけなんです。…結構面倒くさいですよね。(笑)
ーーほかに、先生ご自身もしくは御社がチャレンジしたいとお考えのことはありますか?
相続をもっと増強できると思っています。これも実を言うと、構想は立てて始めているんですけども、今は半年ぐらい前から一社とだけお取引を始めて、まだお客さまは一件しか来てないんですけどね。でも一件来ていただければ元は取れています(笑)。今後は、それをもっと増やしていきます。
それから、司法書士さんとは今6件くらいお付き合いをしていて、そこからも相続関係のお仕事をいただいていますが、それをもう少しシステム化して広げていきたいと思っています。

税務・会計にプラスαを提供することで社会貢献を

ーー経営理念の一つに「税務・会計を通じ、社会に貢献する」というものがあります。これまでお話いただいたチャレンジは、経営理念にどのように落とし込んでいるのでしょうか。
まあ、そのままなんですけれどもね。「補助金申請支援」と「税務・会計」は少しずれているように見えるかもしれないですけど、延長上なんです。税務・会計による、プラスαの部分をお客様に提供することによって、お客様の経営が安定し、収益状況が良くなり、社会貢献につながるんですよということです。そのように、社員に落とし込むようにしています。

ーー事務所には32名様がいらっしゃいますが、どのように理念を浸透・共有されていますか?
コロナ以降それが鈍ってはいるんですけれど、コロナ前までは毎朝5分〜10分の朝礼で理念をみんなで唱和していました。またお客様へいろいろな配布物を用意していて、そこには必ず理念を書くようにしています。
たとえば年に2回『NOW MBC』というパンフレットを作っていてその中に理念を記載しています。また、弊所専用のクリアファイルがあるのですが、そこにも書いています。あらゆるところに理念を書き、目に触れるようにしています。

ある程度大きくなると、組織は拡大させていくしかない

ーーこれからもスタッフさまは増やしていく予定ですか?
そうですね、増えざるを得ないと思います。僕自身もやってきてようやくわかったんですけど、組織ってある程度までいくと、どこまでかはわからないけど拡大していくしかなくなっちゃうんですよね。
「ここでストップ!」というようにはできないんです。実は、私が代表をやる前に、ちょっとストップしてた時期がありました。そうすると年代が…社員の年齢がそこで途切れちゃうんですよ。
だから弊所は今、40代後半から50代の人が多いんです。その後、中途採用で調整はしてきましたが、そこに20代の新入社員を一人くらい入れても、辞めてしまうのです。だから年代が切れちゃう…ミッシングリングみたいなね。そうなると、やっぱりノウハウとか知識があっても、それを伝える相手がいなくなっちゃうわけじゃないですか。
そうすると、組織としてのスキルが落ちてしまう。そうならないためにも、定期的に採用して、つなげていかないといけないんです。そのため、ある程度まで広げていかざるを得ないというのが現状です。

歩む足を止めない!常に少し先の目標を持ってテンションを上げる

ーー中山先生は、チャレンジし続けることをどのように考えていますか?
やっぱり、ちょっとずつでも新しいことを「やっていきましょう!」とやっていかないと、組織がゆるくなっちゃいます。何かニンジンじゃないけど、ちょっと先の目標がないとなかなか人間はテンションを保てないと思うんですね。
そういう意味でも、じゃあ相続税を増強しようとか、補助金申請支援をもっともっとやろうとか、経理代行やろうとか、いろんなことを打ち上げていって、人も入れて、誰々さんの手が空くようにしてって、やっていかないとしょうがないんです。僕もどこまで行くのか…ゴール地点というのは見えていませんけどね。

スタッフと共に歩み、チャレンジを継続していく

ご自身の中に「公明正大なルール」を掲げ、常にフラットな立場を守る中山先生。じっくりと時間をかけてスタッフの方々と認識を共有しながら、組織の改革を行っていらっしゃいます。とても穏やかなお人柄の中に秘めた、チャレンジに対する熱い思いをお聞かせいただきました。小さなことでも新しい「何か」を模索しながら、日々フットワーク軽く動き続けるMBC合同会計、そして中山先生のチャレンジに今後も注目していきたいです。

中山先生、この度は貴重なお話をいただきありがとうございました!

 

(取材・文/株式会社アカウティングプロ チャレンジタイムス担当)