【集中連載】事業再構築補助金 第1回公募採択発表分析 -その2-

前回に引き続き、事業再構築補助金第1回公募の採択結果発表を見ていきます。
今回は補助金のメインとなる通常枠の結果からです。

 

通常枠 採択概要

・応募者数:16,968件
・要件合致:14,843件
・採択者数:5,104件

・有効採択率 34.38%(5,104/14,843)

・採択計画一覧 https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/tsujyo_gaiyo01.pdf

 

 『緊急事態宣言特別枠』に比べると採択率は低めですが、採択者数でみると5,000件以上が採択されており、初回としてはかなり多く採択したようにも見えます(参考:2021年現在公募を継続している『令和元年度および令和二年度補正 ものづくり補助金』では、過去6回の締切内で採択数の最大数は3,267件となっています)。
また、およそ12.5%が要件に合致しないと判断されて審査対象外となっています。特別枠に比べると対象外の案件割合は少ないですが、それでも1/8は対象外となっているので、しっかり要件を満たせる計画書つくりが求められます。
 要件合致の可否として気になる点としては、以前取り上げた『コインランドリー』などの案件ですが、採択結果一覧の事業計画名・概要項を見ると、OKとされたコインランドリーは数十件の採択が確認でき、NGとなった不動産賃貸や太陽光発電は数えるほどしかありません。逆に不動産賃貸で採択されること自体、意外に思えますが、採択された案件を見ると「ショールーム機能を有する」「福祉施設特化」「リゾートとしての長期滞在」と一般的な不動産賃貸とは運用法が異なります。採択されたコインランドリー案件もその傾向がありますが、やはりこれらの業態では特に、 付加価値あるサービス提供 がカギとなりそうです。

 

採択率と予算について

 採択者数動向の見方としては、もう一点、 予算 という観点もあります。補助金はあらかじめ国会で決定された予算に基づいて公募・採択・支給がされるのですが、事業再構築補助金に用意された予算は1兆1485億円、それに対して第1回公募では約2200億円(注:特別枠も含めた額)に当たる申請が採択されました※。約20%、1/5の予算を既に使ったことになり、年度内に残り4回を予定していることを踏まえると、残る4回も都度1/5の予算を上限に設定する可能性が考えられます。
 「毎回同じぐらいの予算ならいつ申請しても同条件か」と思ってしまいますが、そう単純な話とも言えません。2回目の公募では初回で不採択だった申請者が再挑戦する可能性が高く、新規申請者の数が初回と2回目で同程度だった場合、再申請者の分、応募者数が積み上げられてしまいます。これが2回目、3回目と続けば応募者数は右肩上がりに増加するため、 1回あたりの対象予算額が変動しない場合は相対的に採択率が減少 していきます。

 勿論、事業の実施時期などですべての不採択者が再申請をするとは限らず、新規申請者の数も毎回同じになるとは考えにくく、実際には申請者数の推移は微増程度になる可能性も考えられます(正確な発表は採択発表時ですが、締切直前の受付番号から第2回公募は初回よりも申請数が減っている推測も立っています)。それでも、有利不利で言えば早い方が有利には違いなく、単純に挑戦回数を増やすことにも繋がるため、早いうちからの申請が重要なのは違いないでしょう。

(※出典:日刊工業新聞 会員限定記事)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00602332